エンジニアリング組織論への招待を読んで
読書感想文です。 久しぶりにマンガ以外の本を読んだ気がします。(この前は1年前ぐらいに実践DDDとかだと思う)
本を読んだ感想を書くのもいつぶりだろうって感じです。
twitter.com大人になって読書感想文書いたらどうなるんだろう
— ふそやん (@azihsoyn) 2014年7月15日
あんまり変わらなかったりして http://t.co/Soz6HQzOVE
って思ったのが4年前なのでそれぐらいは書いてない気がします。(本当に小学生とか中学生の宿題以来かもしれない)
さて、この本を読んだ感想ですが、「めっちゃわかる、、、」のオンパレードでした。仕事上で起きるトラブルやストレス、上手くいかないことが具体的な例とともに紹介されています。それが何故起きるのかを心理学などで解き明かしていくのがこの本です。
ざっくりあらすじ
不確実性の削減をテーマに個人から組織に登場人物の規模が大きくなるように構成されています。
1章ではどういった思考がうまくいかない状況を生み出すのかをいろんな引用を用いて説明しています。個人についてフィーチャーしてます。
2章では相手が出てきてコミュニケーションの課題や改善方法などが書かれています。
3章では更に人数が増えてチームでどうすべきかが書かれています。ここでアジャイルなどの歴史や誤解なども説明されます。
4章ではチームに顧客の概念が追加されます。ここでスケジュールやゴールの認識不足など誰もが一度は経験したことのあるような例が出てきます。
最終章の5章でいよいよ組織全体の話になってきます。評価の話や情報の透明性など解決の難しい問題についても触れられています。
感想
一番最初に感じたのは、答え合わせだ、、、みたいな感想でした。社会に出てから9年(もう!?)経っているので仕事でもそれなりに色々な経験をしてきたつもりではありますが、大体上手くいかないことって
人間が悪い
で片付けられるなと思ってるんですよね。合理性に欠ける考え方をしてしまったりとか感情に任せた振る舞いをしてしまったりだとか、何気ない一言が誰々を傷つけてしまったりだとか、例を上げればきりがありませんが。 そういった経験にもとづいて自分の中に出来上がっていた価値観が整理されるというかラベル付がされるというか、そんな感じの本でした。
ただ、この本では人間が悪いで終わりにするのではなく(そもそも人間が悪いとは一言も書いてませんが)、「人間はそういう生き物なので、それでも上手くやっていくならこうするのが良いんじゃないか」みたいな、現実的な解決方法を提示してくれています。
ある意味理想論で、それが完全にできるってことは逆に人間性を捨てた完全な世界なのでは?と思わなくもないですが、少し意識するだけでも変わるのかもしれません。
また、1〜5章までの構成や情報量など、数冊の本を一気に読んだような達成感がありました。
ただこの本を読んだだけでは当然何も変わらないので、自分の意識を少し変えるなり、業務に活かしてみるなりしてみたいと思います。
ハイライト
kindleで読んで気になったところにチェックしたりツイートしたりしてたので折角なのでまとめておきます。
Chapter. 1
何か問題を感じたり、不安を感じたりしたときに、人は知らず知らずのうちに、「コントロールできないもの」をコントロールしようとして、さらに思考が混乱するとか、ストレスに感じてしまいます。
これは納得感が高かった
同じ目的をもった人々は、本来対立するはずがないのです。にもかかわらず、何かの対立が発生したときというのは、その対立の当事者全員が、少しずつ正しく、少しずつ間違っています。
Chapter. 2
何かを伝えるということは、「論破すること」とは違います。
わかる...
Chapter. 4
「間に合うか、間に合わないか」ではなく、「スケジュール予測が収束していくかどうか」を管理するようにしなくてはならないというアドバイスです。
なるほど
そもそもスケジュール不安が大きくなってしまう理由は、「見積り」自体が、「ノルマ」や約束のようになり、防衛的な見積りを行ってしまうというエージェンシースラックによるものでした。
なるほど
これ好き
— ふそやん (@azihsoyn) 2018年4月16日
> 本来、ソフトウェアプロダクトを提供する事業において「その日」にリリースされていないといけないという制約は、意図的に作らない限り生まれません。#エンジニアリング組織論への招待
よくなんでスケジュールが先に決まってるんだよ、、、ってシーンがあると思いますがほんとこれなんですよね。
Chapter. 5
エンジニア組織の改善に必要なことは、組織全体のコミュニケーションの改善です。そして、それは個々人のマインドとしては、第1章の考え方が重要です。
つまりみんなが頑張らないといけないということですね。
権限が明示的でないことが意味しているのは、上司の胸先三寸で権限について差配できるということです。これは実質、すべての権限が上司にある状態と変わらないのです。
ほんとこれ。ほんとこれ。
なるほど
— ふそやん (@azihsoyn) 2018年4月16日
> 技術的負債とは 、システム単独で成立しているわけではなく 、新たに追加したい機能があって 、初めて成立する観点だとわかります#エンジニアリング組織論への招待
これはなるほど感が高かった
複数の部門の意思決定者が毎週寄り集まって会議をするが、何も決まらず、それぞれがそれぞれのセクションの利害を要求するばかりで、意思決定が遅いといった「ありがち」な事態は、なぜ発生するのでしょうか。それは、本来組織の内部として、同じ目的意識・同じ利害をもっているはずの組織同士が、独立した「限定合理性」をもって、調達・交渉・監視の「取引コスト」を支払ってしまっているからです。
なるほどなぁ。
宣伝
折角なので最後に宣伝を
スマイルさん@smile_0yenと二人で(というか自分はゲストの気持ちでいますが) rehash.fmというpodcastをやっているのですが、先日初めて本を読んでその感想を言うみたいな企画をしてみました。 自分から言いだした企画なのですが、この時は読了率50%ぐらいでスマイルさんには迷惑をかけてしまいましたが、よかったら聴いてみて下さい。
あとアマゾンのリンクも置いておきます。
エンジニアリング組織論への招待 ?不確実性に向き合う思考と組織のリファクタリング
- 作者: 広木大地
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/02/22
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やはり小並感になりました。読書感想文は大人になっても難しいということがわかりました。 以上です。